誰でも熱烈に好きだった人に対して、いつの間にか夢から覚めたかのようにその感情を忘れたり、どうでもよく感じられることがあるはずです。
では、それとは逆に、永遠に続く恋というものはあるのでしょうか?
結論から言うと、残念ながら恋には賞味期限があります。
恋の賞味期限とは何なのか?
一体私達の中で何が起こっているのか?
を説明していきます。
恋の火付け役 PEA(フェニールエチルアミン)の期限とは?
恋愛の初期段階は、PEA(フェニールエチルアミン)というホルモンが多く分泌されます。
PEAは覚せい剤ににた働きを脳内でして、恋愛におけるドキドキ感を高める一方、食欲を減退させ、眠気も飛ばします。
そのため、一目惚れ、恋患い、恋やつれ等になった場合は、このPEAが脳内で多く分泌されているのだと考えましょう。
さらに、PEAは興奮系ホルモンであるドーパミンの分泌も誘発させます。
ドーパミンが大量に分泌されている状態というのは、報酬系という快感をもたらす回路がフル稼働している状態です。
それでは、身体に大きな負担をかけてしまうのです。
マウスを使った動物実験がそれを証明しています。
マウスの脳に電極を刺した状態で、マウスがスイッチを押すと電気刺激が送られ、報酬系を刺激する仕組みを作ります。
すると、快感を覚えたマウスは死ぬまで、スイッチを押し続ける行動を取ったそうです。
だから、自然とPEAの分泌が抑えられるように、身体が出来ています。
その期間が約3年だと言われているため、恋の賞味期限も約3年だと言われています。
セロトニンの観点による恋の賞味期限
また、イタリアの神経科学者の研究グループが、違った視点から恋の賞味期限を推定しています。
彼らは、「恋をしている間は、神経伝達物質のセロトニンの分泌が通常よりも低下していること」に着目したのです。
セロトニンというのは別名「幸せホルモン」と言われ、心の落ち着きと安らぎをもたらし、心身ともにをリラックスさせるホルモンです。
その研究グループの実験によると、恋の賞味期限は12ヶ月から18ヶ月だという推定できたそうです。
博士達によると、7ヶ月までは熱烈な感情がこみ上げてくるものの、個人差はありますが、8ヶ月から17ヶ月の間から徐々に冷め始めます。
そして、18ヶ月を過ぎると、熱烈なラブラブ状態ではなくなってしまうそうです。
「恋」から「愛」への変化
その主役がセロトニン「恋の賞味期限が過ぎたら、そのカップルは終わるのか?」と問われれば、答えはNOです。
どういうことかと言うと、恋愛初期に感じる快感物質というのは、主にドーパミンです。
ドーパミンが大量に分泌されている間は、手をつなぎたい、キスしたい、デートしたいなど、自分にとって刺激的な事を求めます。
これが一般的に「恋」と呼ばれるものです。
しかし、ある程度期間を過した段階に入ってくると、快感物質の主役がセロトニンに変わります。
そうなると、特に刺激的な事をされている訳ではないけれど、一緒にいるだけで幸せを感じられうようになり、相手に感謝します。
また、幸せになって欲しい、元気でいて欲しい、いつも笑顔でいて欲しいなど、相手の幸せを願います。
これが「愛」なのです。
恋愛結婚する人の落とし穴の一つが、この「恋」から「愛」への移行ができないことです。
要は、ドーパミンが分泌されていた時の刺激をいつまでも求めるのです。
しかし、恋には賞味期限があるので、その要求は永遠に叶うことはありません。
「恋」を「愛」に昇華させるしかないのです 。
そのポイントは「相手に感謝すること」です。
最初はみんな「恋」から始まります。
その時、好きな人と一緒に過ごせる事に、その都度感謝するのです。
そうすると、たくさんの「感謝」が溜まっていき、それがいずれ「恋」を「愛」へと変えてくれるのです。